バレット食道とは
食道の下側の扁平上皮が胃粘膜のような円柱上皮(バレット粘膜)に変性することを言います。近年、若い患者様が多くなっている逆流性食道炎は、食道粘膜が胃酸によるダメージを慢性的に受けることとなり、バレット食道の発症リスクも上昇させます。また、バレット食道はバレット食道がんへ進行する可能性があります。
バレット食道の症状
バレット食道そのもので自覚症状は出現しないですが、逆流性食道炎が原因と言われており、以下の症状が継続する場合はバレット食道の可能性があります。
- 胸焼け
- げっぷが多い
- のどの違和感
- みぞおちの違和感・痛み
- 吐き気
バレット食道の原因
逆流性食道炎による影響が大きいとされています。 逆流性食道炎は、食道粘膜が胃酸によるダメージを慢性的に受けることとなり、バレット食道の発症リスクも上昇します。若い方はピロリ菌に感染していることは少なく、胃の機能にも大きな問題はないこと多い一方、胃酸が過剰に分泌されやすいため、逆流性食道炎の発症が上昇しています。バレット食道の患者様は将来的にさらに増加していくと懸念されています。
バレット食道の検査
バレット食道には自覚症状がないため、胃カメラ検査などを行った際に発見されることが多いです。
バレット食道と診断された場合、がんの発生リスクを高めるものですので定期的に胃カメラ検査を受けて経過を観察しましょう。
バレット食道の治療
バレット食道そのものの効果的な治療はありません。そのため、バレット食道を引き起こす逆流性食道炎の治療を行います。胃酸分泌抑制薬を内服することで、バレット食道の拡大と、バレット食道がんへの進行を予防する効果が期待できます。
胃カメラ検査を受けることで、バレット食道がんの発症の有無をチェックすることが可能です。当院の胃カメラ検査では、バレット食道がんやバレット食道の診断もできますので、一度ご相談ください。
バレット食道の予防
高脂肪・高タンパクな食品、香辛料などの刺激物の摂取によって胸焼けの症状がひどくなるため、摂取は適量にしましょう。また、早食いや暴飲暴食も厳禁です。 カフェインやアルコールによって胃酸の分泌が増加し、胃の入り口である噴門部の筋肉が弛緩しますので、注意が必要です。また、食後にすぐ横にならないことも、胃酸逆流を予防するために重要です。