萎縮性胃炎とは
胃に慢性的な炎症が発生し、胃酸や胃液を分泌する胃底腺が少なくなり、胃粘膜が萎縮した状態です。健診のバリウム検査で指摘される胃炎はこの萎縮性胃炎です。胃粘膜の萎縮が進行すると胃がんのリスクが高くなることがわかっています。
萎縮性胃炎の主な症状
胃の不調による症状は、胃痛、胃もたれ、胸やけ、吐き気、お腹の張りなどどれも同じようなものです。
そのため、萎縮性胃炎だけの特徴的な自覚症状はありません。
萎縮性胃炎の原因
主にピロリ菌感染が原因です。ピロリ菌が胃粘膜に感染し胃粘膜に炎症が起こり、萎縮の範囲が拡大していきます。その他、A型胃炎という疾患で自己免疫の異常により萎縮性胃炎を発症することもあります。
萎縮性胃炎の検査・診断
萎縮性胃炎は症状が乏しいため、胃カメラ検査による診断が必要になります。胃カメラ検査で萎縮の有無や萎縮の程度を評価します。萎縮の程度によって胃がんの発症リスクが異なるため、胃カメラ検査で胃がんの発症リスクの判断も可能です。定期的に検査を受けて、早期発見、早期治療をすることが重要です。
萎縮性胃炎の治し方
ほとんどのケースでピロリ菌感染を認めるため、除菌治療を行います。萎縮性胃炎で症状がある場合は、ピロリ菌の除菌治療によって改善することがあります。また、除菌治療によって胃・十二指腸潰瘍、胃がんの発症リスクを低減することができます。除菌治療では、胃酸分泌抑制薬と2種類の抗生剤を、1週間内服します。その後、4週間以上空けて治療効果を確認します。除菌治療が成功しても、胃がんの発症リスクはゼロにはならないため、定期的に胃カメラ検査を受けることが必要です。